2005年10月 3日

木造住宅耐震診断士


mokutaishin

 木造住宅耐震診断士の養成講習会を受講。耐震診断士の認定申請を行いました。

 公的に地震規模M7程度、震度6程度の地震が発生する確率が発表されていますが、茨城県は、ご存じのとおり南西部に地震の巣みたいなところがあるし、鹿島灘沖でM6程度の地震が今後30年以内に起きる可能性は90%だったと記憶してます。そこで、できるだけ対策を講じるため、行政も必死です。平成16年から18年の3年間で300名以上の木造住宅耐震診断士を養成し、昭和56年以前に建てた建物の耐震診断。耐震補強を進めたいとのことです。
 確かに、阪神や中越の震災被害を見ると、被害を受けた建物は、昭和56年以前のいわゆる「新耐震基準以前」の建物が多かったと思います。「新耐震以前の建物は地震に弱い」とは一概にはいえませんが、地震による建物の倒壊から自分や家族の命を守るためには、テレビや雑誌などのメディアの情報だけで自分で判断するのではなく、専門家に診断を受け、適切に補強することが必要だと思われます。


 ということで、耐震診断の専門的知識を得るための講習会に参加したのだが、周りを見回すと、熟睡している方々が多いこと、多いこと。正直言って、こんな受講態度でも耐震診断士の認定を受けられるとしたら、ちょっと問題。なぜなら、熟睡している方々は、自分の意志でこの講習会を受講しているとは思えず、会社から命令されてきているような感じを受ける方たちのように思えるからです。
 これは考え過ぎかも知れませんが、設計事務所登録しているリフォーム会社が耐震診断士の認定を営業のツールとして考えていて、建築士の資格を持った人間にこの講習を受けさせ木造住宅耐震診断士の認定をとり、この講習の内容とは無関係に、ユーザーの不安をあおった診断をして、高額なリフォーム工事契約をとるということも考えられるからです。
 少なくとも、人命に関する講習なんだから、もっと志を持った人達に集まってもらいたい。寝るなよ、メモぐらいとれよ。

 講習の最後に模擬診断テストをして、ある一定以上の点数以下は認定しないとか、設計監理を専業にしている人だけを対象にするとかにしないと、診断士の肩書きを持った怪しい人達が出てきて、まじめにやろうとしている人達までもが世間から信頼されなくなる可能性があるんじゃないかな?

 大地震の可能性が高い地域の自治体では、補助金を出して個人住宅の耐震診断(一般診断)を進めるようだが、上述のような理由から、診断士の選定には注意した方がよいと思います。できれば、複数の診断士によるチーム診断がよいと思うのですが、自治体の補助金額はどうやら一人で一軒を診断することをイメージしています。自治体でまとめて、3人で1日3軒を診断するような仕組みをつくるべきと思います。

 一方、震災は、建物単体の倒壊・損傷だけではない。崖崩れや不動沈下・延焼による火災などがあるし、震災後の近隣関係の崩壊・孤独感不安感による精神障害などもあります。それらのフォローができて初めて地震が起きても安心して住めるようになると思います。難しい・・・。建築の設計屋としてできるだけのことをしなければ・・・。

 地震は、起こらなければ良いのだが、昨年から今年にかけて大きな地震が多いので、地震に対する不安が高まっています。とにかく、不安をあおるような情報に踊らされないことが大切だと思います。

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