2007年4月20日

プードル・スプリングス物語


"プードル・スプリングス物語" (レイモンド チャンドラー, ロバート・B. パーカー)

 村上春樹の新訳で、再び盛り上がったチャンドラーのフィリップ・マーロウのシリーズですが、そのチャンドラーのマーロウシリーズ最後の作品で未完だったモノをロバート・パーカーが引き継いで完成させた物語。
パーカーといえば、ボストンの探偵スペンサーシリーズ。「初秋」は、僕の大好きな作品です。
パーカーのスペンサーは元ボクサーでノンスモーカー、ジョギング好き、そのくせ読書家で知的という設定で、マーロウと比べるといささか力強いキャラクターなので、そんなパーカーが描くマーロウはどんなモンだろうと思って読みましたが、ちゃんとマーロウはマーロウでした。
それはそのはずで、パーカーは、根っからのチャンドラーフリークだったらしく、チャンドラーの作品に関する論文で博士号まで取っています。
チャンドラーは、物語のプロローグまで書いて他界してしまったとのこと。事件の始まりからその真相解明、前作の「長いお別れ」で結婚した大金持ちのリンダ・ローリングとマーロウのその後の物語、すべてパーカーによる創作だそうです。

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