プードル・スプリングス物語
"プードル・スプリングス物語" (レイモンド チャンドラー, ロバート・B. パーカー)
パーカーといえば、ボストンの探偵スペンサーシリーズ。「初秋」は、僕の大好きな作品です。
パーカーのスペンサーは元ボクサーでノンスモーカー、ジョギング好き、そのくせ読書家で知的という設定で、マーロウと比べるといささか力強いキャラクターなので、そんなパーカーが描くマーロウはどんなモンだろうと思って読みましたが、ちゃんとマーロウはマーロウでした。
それはそのはずで、パーカーは、根っからのチャンドラーフリークだったらしく、チャンドラーの作品に関する論文で博士号まで取っています。
チャンドラーは、物語のプロローグまで書いて他界してしまったとのこと。事件の始まりからその真相解明、前作の「長いお別れ」で結婚した大金持ちのリンダ・ローリングとマーロウのその後の物語、すべてパーカーによる創作だそうです。
読み終わって、後書きを読むまで作者の変わり目・継ぎ目が判りませんでした。
「ロング・グッドバイ」はまだ文庫化されていないので、読んでませんが、(実は村上春樹に対して偏見があるのかもしれない)古典的なハードボイルドファンには必読だと思います。
以下余談)
チャンドラーフリークのパーカー、そのパーカーフリークのロバート・クレイスという作家がいます。
そのクレイスも「フィリップ・マーロウの事件2」という、いろんな作家のフィリップ・マーロウに対するトリビュートアンソロジーの第2集に短編を書いています。
ところがAmazonで調べてみたら、現在は1と2が1冊に文庫化されてクレイスの短編は削られてしまっています。
ロバート・クレイスの”ロスの探偵エルヴィス・コール”シリーズは、大好きなので、残念!!
実は、チャンドラー(マーロウ)よりはダシール・ハメット(サム・スペード)、パーカー(スペンサー)よりはクレイス(コール)が好きなのだ。我ながら甘いのが好きなのか、辛いのが好きなのか?
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