2005年11月22日

構造計算書偽造事件について考えてみた(1)

 建築確認申請時に添付する構造計算書の偽造事件について考えてみた。

 同じ業界に居る人間として、構造計算書を偽造していた構造設計者には非常に憤りを感じる。同情の余地もない。

 しかし、当初の報道では、彼だけに責任の追及の焦点が絞られており、非常に違和感を感じた。また、悪者捜しに終始し、こういう危機が起こった時に最優先でとるべき行動をとっていないテレビ・新聞などの報道の底の浅さを感じた。

 報道としては、事件の事実(耐震性能が不足している建物)を世間に広めると共に、震度5程度で崩壊の恐れがあるというコトの緊急性から被害者対策を強く訴えるべきであろう。販売主・設計者・施工者・検査機関・行政それぞれに責任があるのは自明なのだから、誰が一番悪いのかという詮索だけの報道姿勢は底が浅いとしか云いようがない。

 この事件を引き起こした全体の構図を考えてみるために、事件を入口と中間、出口に分けて考えてみる。

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2005年11月15日

水戸の中心市街地

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 ダイエー水戸店も撤退しました。かなり集客力は落ちていたようで、仕方ないと思います。
 が、かつては目抜き通りとして賑わっていた通りに面して長い壁面が仮囲いで覆われると、街の景観がかなり寂しい感じになり、黄昏れます。
 マクロ的に考えると、もはや駅前から続く通りは、商業地としての存在価値は無いのかも知れません。特に地方都市の場合は、成人一人当たりの自動車保有数が一台に近く、周辺にバイパスと称した広幅員の真っ直ぐな道路が造られているので、旧来の駅の近くの商業地は、存在価値が無くなっています。
 では、僕たちは、このような経済的な要因で街が変わっていくのを黙って見ているだけでよいのでしょうか?

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2005年11月 3日

家ってなんだろう


"家ってなんだろう" (益子 義弘)

 朝日新聞10月31日の記事に”子どもに伝える「家」の本 人気建築家がシリーズで執筆”というのがあり、以前から気になっていたのに読んでなかったこの本を思い出した。  そこで、図書館で借りてきて読んだ。(当然、児童書架にあった。)  ”くうねるところにすむところ 子どもたちに伝えたい家の本”シリーズとあるが、家を建てようと真剣に考えている大人たちにも伝えたいと思う内容だった。  専門用語や哲学用語(?)で煙に巻くのではなく、ふつうの言葉で”家や建築の基本的な世界を伝えること”に誠実に取り組んでいる。

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2005年11月 1日

S-House 床下収納+床下暖房

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 1階の和室の床は、居間やキッチンなどから380㎜高くなっています。  和室の畳は、3尺角の薄い縁なし畳を敷き、荒床を取り外し出来るようにしてあります。また、大引き・土台を3尺間に格子に組んで、床束を無しにしました。  つまり、和室全部の床下は、収納として利用できるようにしました。

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