2006年3月25日

SEK-House軸組金物検査

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 軸組金物の検査。(3月22日)
 木と金属の相性の悪さと外周壁内の結露がイヤなので、なるべく軸組金物を使わないようにしてますが、現行の建築基準法に従うと、どうしても仕口に接合金物を付けなければなりません。
 この仕口には羽子板ボルトだけ使ってます。

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 ホールダウン金物です。この金物は、柱が土台や基礎から引き抜かれるのを防ぐために設けます。法令では地震や風に抵抗するために変形しない壁(耐力壁)を一定以上設けることが定められています。一般には、その耐力壁をつくるためには、筋交い(斜めの材)を入れます。すると、筋交いに引っ張り方向の力が加わる時、柱には加わった水平力以上の引き抜き力が生じるため、それに抵抗するためこのホールダウン金物が必要になります。  つまり、1.壁を固めて地震や風の力に抵抗しようとする。→2.壁を固めたため、加わる水平力以上の引き抜き力が発生する柱が生じる。→3.金物で緊結する。という理屈です。阪神淡路地震の後にこの金物の設置基準が明確化されました。  ちなみに建築基準法以前の住宅や農家住宅などの柱・貫構造の民家にはこんな金物ありません。柱は礎石の上に載っかっているだけです。  筋交いプレートも入れることが定められていますが、外向きのプレートの場合、断熱材をプレート外面に施工しないと結露の原因になりますので、要注意です。(この住宅は外張り断熱工法なのであまり心配はいりませんが)
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 小屋裏をロフトとして使う部分の天井です。  厚さ15㎜の杉板を垂木の上に張っています。茨城県産の杉材の特徴である黒い部分も混じっています。外張り断熱なので野地板(構造的には化粧)を天井仕上げとしています。
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 水色の面材が断熱材(ポリスチレンフォーム、通称スタイロフォーム)です。その上にさらに垂木を取りつけ、さらにその上に構造的な野地板を張り、屋根の下地材とします。こうやって見ると、垂木の間が通気層となるのが良く判ると思います。最上部の棟には通気層を上がってきた熱気を逃がす換気棟が付きます。
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 上棟式は特に行わなかったんですが、安全を祈願する痕跡が棟に取り付けてありました。
 で、検査の結果は、開口部位置と和室真壁範囲の変更による耐力壁(構造合板張り)の追加指示と柱上部の桁・梁との仕口の一部に(長ホゾ込み栓打ちの仕口で十分だと思われますが、法令に従い)山型金物を追加することを指示しました。  

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