2005年12月 5日

Butterfly Effect


"バタフライ・エフェクト

ちょっと前の映画ですが、DVDをレンタルして見ました。
タイトルのバタフライ・エフェクトとは、カオス理論を説明する一つのたとえです。
たしか、"ジュラシック・パーク" (マイクル クライトン)の原作本の冒頭で、チャイニーズバタフライ現象として紹介されてました。そこでは、中国で蝶が羽ばき、わずかな空気の動きを起こすと、それがカリブ海でハリケーンを発生させる原因の一つになりうるということが書いてあったように記憶しています。つまり、物事は直線的に原因と結果がつながっているのではなく、様々な別々の要因が複雑に混沌と絡み合ってある現象を引き起こしていることを示しています。
で、そんなタイトルの付いた映画ですが、面白かったです。




主人公は、父親から遺伝した特殊なある能力(障害?)があって、過去の失った記憶をあるキッカケで思い出すとその時代(子どもの頃)に戻れるのです。彼は、過去の小さな振る舞いや決断が将来どの様なことにつながるのか知っているので、それを変えることで幸福な未来(現在)を手に入れようとします。

しかし、まさにバタフライ・エフェクトのとおり、予想通りの結果にならずに様々なのぞまれない現在になってしまい、幸福な現在には至りません。そこで何回も過去に戻りやり直します。結末は・・・。

というストーリーですが、僕は、「これは、まさに”他力本願について”の内容ではないか」と感じました。

”結果・将来を期待して、何かをやっても、所詮人間の知恵はたかが知れている。思った通りの結果は得られない・自力では幸福は得られない”ということ。

神を信じ、最後の審判の日のために厳しい戒律を守り自らを導いてゆくという西洋の宗教観とは相反する感じを受けました。

物語を通じて、西洋の物語にはありがちな絶対的な”神”は期待させながらも出てきません。全て主人公の主観で進行します。彼が神なのかとも思わせますが、彼も絶対的な”善”とか”悪”とかいう尺度を持ち合わせてません。彼もちょっと特殊な能力を持った人間です。



最近読んだ本などに影響されてる部分もたぶんにありますが、この映画を見て他力本願を想起するというのは、ちょっと面白い感じだったのでエントリーしました。

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