2005年9月15日

海馬


"海馬―脳は疲れない" (池谷 裕二, 糸井 重里)

 人間の心はどこにあるのだろう?昔は、胸の中にあると信じていた。つい最近になって、「頭の中にあるらしい。」と、ぼんやりと考えるようになった。では、心は頭の中のどこに存在しているのか?  楽しい、やる気満々という時は、「心がウキウキする」なんて表現する。辛い時、悲しい時、やる気のない時は、「心が沈む」なんて表現する。心を自分でコントロール出来れば、もっと良く生きられる。そんな思いがあったなら、是非お勧めの一冊!文庫版もでて、コストパフォーマンス抜群! 

 心と頭の中(脳)の関係を科学した本は、最近の流行みたいになっているが、この本は、脳の中でも海馬という、脳への情報入力のコントロール部分の研究者、池谷祐二と糸井重里との対談になっていて、グイグイ引き込まれる。
 予定調和に終わらないスリリングな対談は、時々脱線しながらも、発散しつつ収束する。
 糸井さんは、意図的に対談を予定調和に終わらせない。話を聞き、相手の発する言葉を呑み込み、自分の言葉で自分なりに理解する。それだけではなく、自分の視点から話題を転換していく。その話題の転換が、相手にも情報を発するヒントを与えている。だから会話が面白いし、本人たちが予想していない収束に向かうので、本人たちが興奮している。
  この対談を読むと、情報のやりとりというのは、受け手側しだいで深くも浅くもなるのだなと思う。
 これは、脳の中での神経レベルでも同じだそうだ。神経細胞同士のつながり方を決定するのは、受け手側の神経細胞だそうだ。

 とにかく、読むのに飽きない本であった。

 読み終えたばかりで、まだ、良く自分で咀嚼していないので、うまくコメント出来ない。今日のところは、「お薦めの一冊、生きる勇気が出る本」ということだけを書き留めておく。

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