2005年7月 6日

建築のトランプ

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 とあることで、友人からトランプをずらりと並べて額装したものをプレゼントしてもらった。
 トランプの絵柄は、世界中の有名建築(Aから10)と建築家(JからK)など。Printed in Austriaとあるが、発売元はRUKENNUTIETOというフィンランドの会社らしい。ホームページをググッてみたが、フィンランド語はさっぱり理解不能。
 建築・建築家のチョイスの基準は、なんなのだろう?分析してみた。

 ダイヤのカードは、プレモダン建築と建築家らしい。ダイヤのAは、F.L.WrightのHollyhock Houseのディテール。その他ルドルフ・シュタイナーのゲーテアヌムやギマールのパリの地下鉄入り口など、建築家は、エリエル・サーリネンC.R.マッキントッシュ、そしてキングはアントニオ・ガウディだ!

 スペードのカードは、モダニズム。最強のカードとなるスペードのAは、アルヴァ・アアルトのコンセプチュアルなドローイング。(ここで気づいたが、Aはどのカードもコンセプトドローイングらしい。)モダニズムは一番メジャーな建築のラインナップで、リチャード・ロジャースのロイズオブロンドン、リチャード・マイヤーのダグラスハウス、ジュゼッペ・テラーニのカサ・デル・ファッショ、安藤忠雄の六甲の協会、コルビジェのサボア邸、F.L.ライトの落水荘、リートフェルトのシュレーダーハウスなど、建築家は、ワルター・グロピウスとミース・ファン・デル・ローエ、キングは、やはりコルビジェだ!(すみません、リンク付けるのに、いい加減つかれました。興味のある方はググッてください。)

 ハートのカードはポストモダーン建築。Aは、R.Pietilaという建築家のドローイング(どうやらフィンランドの建築家らしい。すみません、僕知りません。)。その他ボッフィルのアパートとか黒川紀章のワコールビルとかそんな感じ。(と、いうか、実は僕はポストモダーン建築にどうもアレルギーがあるみたいで、あまり興味ありません。)建築家は、チャールズ・ジェンクスとロバート・ベンチューリ、キングはマイケル・グレーブス。
 
 クローバーのカードは、デ・コンストラクションらしい。Aはダニエル・リベスキンドの例によって例のドローイング、フランク・O・ゲイリーのAerospace Museum、モーフォシスの6th Street Houseなど。その他、日本ではデ・コンストラクションではなく、ポストモダーンに分類されることが多いと思うが、SITEのスーパーマーケットなんてのもある。面白いところでは、レオニドフや藤井博巳の建築もチョイスされている。建築家はベルナール・チュミとザハ・ハディド、キングはピーター・アイゼンマン。

 以外にも日本人の建築家は安藤忠雄と黒川紀章と藤井博巳の3人。丹下健三やポストモダーンにもデ・コンストラクションにも出てきそうな磯崎新やモダニズムの槇文彦などがいなかった。(やはりこういう時、日本人を捜してしまうのは、どうなんだろう?とも思いますが)
 こうやって外国の玩具(トランプカード)からでも、自分なりに分析してみると、自分とは遠く離れたところでの評価の基軸の違いが見えてくる。

 ところで、Jokerは誰だかわかりますか?答は下の写真

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 なぜか、チャールズ皇太子とジャック・デリダでした。

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コメント

チャールズ皇太子は英国では有名な辛口建築評論家などだそうだ。著作もいっぱいあるそうだ。知らなかった。
下記のHPで判明。
http://www.okadamagic.com/trivia03.htm
何故かクローバーのキング(デコンストラクションのチャンピオン建築家)についての記述が微妙に違う。チャンピオンは、ザハかアイゼンマンか?

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